26歳の冬の話 9

とある人間の記録

続きです。今回は父と主人公の持つ不思議な能力(?)のお話です。

前回の話はこちらから。

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話は変わって、父と彼についての話を少ししようと思う。

父は自営業だった。従業員は雇わず、一人で治療院を営んでいた。経理や事務処理は親戚が手伝っていた部分もあったようだが、ほぼ父ひとりでの運営だった。

治療院の詳細は省くが、聞くところによると少し変わった治療院だったらしい。治療院なのだから、治療がメインと思いきや、治療とは一見関係なさそうな人生相談などがメインになっていたようだ。それでも父自身は満足していたし、患者さんも満足していたらしい。

さらに不思議なことに、「普通の人では感じられない世界」なるものが感じられるらしく、東洋医学でいうところの「気」のような、「エネルギー」のような。文章で説明するのは難しい感覚を持っていて、治療にも応用していたらしい。いわゆる「不思議な世界」だった。

彼も父の影響を受けてか、「普通の人では感じられない世界」が彼なりに見えているらしい。幼い頃に常人には見えないものが見えたとか、見ようとすれば他人の体の悪い、もしくは悪かった、あるいは「これから悪くなる」部分が分かるとか、ともかく少し違う世界の住人みたいだった。

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今回は「父と彼の話」というテーマで、父のやっていたこと、父と主人公のもつ不思議な能力についての回でした。当たり前のように感じているらしいですが、なかなか理解は難しい世界ですね。

ではまた。

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